【コールセンターの品質はどうやって測るのか?6】応対品質を利益に結びつける

【コールセンターの品質はどうやって測るのか?6】応対品質を利益に結びつける(最終)

こんにちは、コールセンターコンサルティングのCプロデュース 代表取締役 大木伸之です。
このブログでは、コールセンター情報や日々の出来事などをご紹介しています。

前回、【コールセンターの品質はどうやって測るのか?5】応対品質の測り方、測定結果の使い方 から つづく・・・

テレコミュニケーターが商品をおすすめする時に重要なポイント

顧客の不満足を抑止するための応対品質の管理について述べてきましたが、不満足がほぼ解消されているセンターにおいては、これにプラスして、CSをどのようにして高めるかという観点から応対品質の向上に取り組んでいます。

しかし、これは現実には非常に難しい作業でもあります。

この領域はテレコミュニケーターの非対面でのコミュニケーション・スキルの高さや商品/業務知識などの豊富さに左右されます。顧客は電話を介して買い物をする際には、最初に安心できる人(テレコミュニケーター)かどうかを心配し、かつ洞察しています。

スクリプトでいうところのオープニングの2~3センテンス(会話)で顧客に安心感を与え、コミュニケーションのベースとなる信頼関係を築けるかどうかが、その後の5~6分間の会話における顧客の意識に大きな影響を与えています。

その通話の中で個人対個人の共感や信頼を作り出せなければ、いくら会話の終盤に顧客が注文した商品に関連して、テレコミュニケーターが「会社のレコメンド(推奨)商品」を紹介したとしても、耳を傾けてもらうのは難しいでしょう。

CSは、もともと目に見えない顧客の心理的かつ感覚的な企業やサービスに対してのイメージです。不満足因子の捕捉、解消については先回りができても、「どうしたら顧客に満足してもらえるか?!」については簡単に解が得られるものではないのです。各企業が試行錯誤しながら独自に行っているCS調査をみても、その苦労が推察されます。

応対品質を利益に結び付ける具体的方法とは?

そこで最初の言葉「メジャーメント」を思い返してほしいのです。

この不定型な領域では、コールセンターのマネージャーは自社の経営層と対話し、経営側の顧客に対しての考え方を十分理解した上で、センター内における独自の物差し(効果測定方法)をつくることが求められます。

つまり、顧客のリピート率をどのぐらい上げたいのか、1回当たりの購入単価をいくらに増やしたいのか、経営側とコールセンターで明確なKGI(KeyGoalIndicator:重要目標達成指標)を共有して、これをKPIにブレイクダウンしていきます。

この物差しは、最終的に必ず自社の収益に関連付けなければなりません。

というのは、そうしなければ「センターの中だけ」の物差しとなり、会社全体から見るとコールセンターはいつも蚊帳の外ということになってしまうからです。

例えば、CSを高めて顧客のリピート率を将来的に○○%に引き上げるための応対品質について考えてみましょう。

顧客が「そのコールセンターに電話をして、また注文したいと思うか」、あるいは「そのコールセンターでの応対の良さについて、家族や友人に自慢したくなるか」などの観点から、応対品質基準(書)を作成して、各々の動作についてレベル分けしていきます。

この応対品質基準とテレコミュニケーターの職務定義書を関連付けて、必要なスキルや業務知識などへ落としていきます。その上で、モニタリング&フィードバックやロールプレイイングなどのトレーニングを施します。

つまり、非対面コミュニケーションから影響を受けるCSという観点からの応対品質を推量して、基準書により定量化を試みるわけです

次回、【コールセンターの品質はどうやって測るのか?7】企業収益を念頭におくマネジメント へ つづく・・・

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記事を書いた人

大手企業、中小企業のコールセンターを運営している事業会社に対して「改善コンサルティング」「コールセンターの協業運営」サービスの提供を行い、コールセンター業界の最前線を見てきた。精通する業界はISP、通信販売、保険、クレジットと多岐にわたる。コールセンターのビジネスにおいて、”オペレーションの現場”と”経営層”までの距離をいかにコンパクトにできるかが成功への鍵であるとの持論から、実践型のコンサルティングを推進している。

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