デジタルネイティブ世代の新入社員に需要が高まる電話応対研修
こんにちは。コンサルタント兼研修講師の井筒です。
早いもので深緑の6月に入りました。新入社員の皆様も入社後2カ月が経過し、既に配属され活躍されている方、配属先が決まりワクワク・ドキドキしている方、まだまだ研修中の方と、さまざまいらっしゃると思います。
目次
新入社員研修に電話応対スキルの習得?!
新入社員研修は企業の特性が色濃く出ます。
研修は入社後の数日間のOJTで仕事を覚えていく企業もあれば、配属決定までの数カ月を研修と称し各部署の業務を経験し、特性を見極めて配属先を決定する企業もあります。また、専門的な知識が業務上求められる職種・企業では、専門性を高める研修に力を入れ、研修期間を1カ月~2カ月実施し、その後配属という企業もあるでしょう。
このように新入社員研修は企業の特徴や考え方によりさまざまなやり方・期間があります。どの企業も共通して必ず行うのが、マインドセット(学生と社会人の違い)やコンプライアンス・ハラスメント防止・メンタルヘルスや社会人の基本的なマナーなど、社会人の基礎となる社会人基礎力です。
そして、日常の場面で多様化するチャネルに電話応対の機会が減ってきているとはいえ、まだまだ新人社員研修の項目には、電話応対研修は含まれています。研修講師である私は、毎年多くの企業から新入社員の依頼を受け、登壇していますが、近年、「電話応対をさらに強化してほしい!」というご要望が高まっています。
電話応対スキルを求める背景
新入社員はデジタルネイティブ世代です。彼らのほとんどがX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを使いこなし、オンラインでの人間関係を構築しています。この環境下において携帯電話というデバイスツールは、その主体機能である「通話をする」という使い方が減少しています。それに伴って、デジタルネイティブ世代は「いりきなり電話をするのは失礼では、、」が普通の感覚となっています。
私が担当した企業の新入社員の方々に毎年、「お友達に電話をしたことはありますか?」と質問してみますが、年を追うごとに、「電話ですか・・・?」と首をかしげる表情をする受講生が多くなってきています。2020年頃までは、「私たち世代は、LINEやチャットが基本で、電話は使わないんですよ」と母親世代の私に気を利かせて、丁寧に教えてくれていましたが、さらに最近では「?」の顔をしている受講生が増えてきました。
電話でお友達と話をしますか?と聞くだけで多くの新入社員の方々が首をかしげる、、、このことが、デジタルネイティブ世代は日常のコミュニケーションに電話を使わない、と言われることが良くわかる光景です。コールセンタービジネスに身を置いている者としては、ちょっと心配になる傾向です。
企業が求めるビジネススキルはデジタルネイティブ世代の常識と真逆?!
私の肌感覚にはなりますが、新入社員の印象の傾向が「大人しい」が年々強くなっているようです。企業の人事担当者に「今年の新入社員の傾向はどうですか?」とヒアリングすると「昨年より大人しい」という回答が増しています。
そしてこの、「大人しい」が増せば増すほど、「電話を使わない」「電話をすることに抵抗感がある」傾向も増しているように感じます。この傾向に比例するように人事担当者から「ビジネス電話応対に力を入れてほしい」という、熱の入ったご要望を強くいただくようになりました。
私に新入社員研修のご依頼をいただく理由の1つに、「コールセンタービジネス経験者で、電話応対研修を専門に行っていた経験があるから。」と明確におっしゃる企業もあります。対外的なお客様対応の電話応対は行わないものの、社外の電話応対が実践レベルで身につくレベルを要求されたり、社内外に関わらずビジネス電話応対がすぐに実践できるレベルまでに仕上げてから配属してほしい、と明確なゴール設定を敷かれている企業も増えています。
人と人とのコミュニケーションでは視覚から多くの情報を得る
メラビアンの法則では、「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」に矛盾がある場合、視覚情報が55%と最も高く影響されるとされ、次に聴覚情報が38%、最後に最も低いのが言語情報で7%と言われています。対面では視覚情報、つまりパッと見た目の印象で、印象が決まるとも言えます。
少し乱暴な表現になりますが、対面ではTPOに合わせた且つ清潔感が服装と身だしなみで、嫌みのない笑顔であれば55%は好印象に繋がるのです。そして、挨拶時に、好印象の音声表現(抑揚・アクセント)を使えば、印象が悪い方向には傾きません。
ここで、新入社員研修の定番研修である「挨拶を習得することを目的とした研修内容」(対面)と「電話応対を習得することを目的とした研修内容」(非対面)を比較してみましょう。新入社員では定番の「語先後礼で挨拶ができるようになるための研修」(対面)では、ポイントが以下の4つです。
語先後礼で挨拶ができるようになるための研修
- 相手の目を見る
- 挨拶言葉を伝える
- お辞儀をする(適切な角度)
- 顔を上げ、相手の目を見て笑顔を作る
※語先後礼とは、「言葉が先、行動は後」という意味です。
それに対し、電話応対は総合的なスキルを用います。ビジネス電話応対研修で使用しているスキルの習得は下記のようになります。
ビジネス電話応対研修で使用しているスキル
- 言葉使い(敬語)
- 言葉使い(クッション言葉・お礼・謝罪)
- 音声表現(抑揚・強弱・緩急・間・話す速さ)
- 話すスキル
- 聴くスキル(傾聴力・ヒアリング力・質問力・復唱スキル)
- 状況把握力
- 洞察力
- 共感力
- タイムマネジメント力
- 報連相力
- 文書力
- 要約力
- 判断力
- メモ力
言葉使いはビジネスとして相応しい敬語やビジネス用語を用いるとともに、電話応対は目には見えない、電話の先にいらっしゃる方の状況をおもんぱかりながら進めていきます。相手の状況に合わせながら、言葉を選び、話を組み立て、伝わりやすいように、相手に配慮し、最もよい解を導き出しながら応対を行います。
研修やロールプレイングを実施し明確になる課題
受講生は、研修とロールプレイングを実施することで、現状の自身の課題に気がつくことができます。聴きながらメモを取ることができなかったり、問われたことに対し全く別の返答をしたり、敬語が使えず友達口調になってしまったり、、「〇〇ができていない」と不足スキルを把握した時、新入社員の方々は、習得に本気で取り組むようになることが多いように感じます。スキル不足の状態で配属された場合、一番困るのが自分だと理解するからではないでしょうか。改めて、ここ数年の新入社員研修を実施し、スキル不足を感じているな、、、という具体的な内容は下記となります。
- 正しい敬語が咄嗟に使えない。
- 問われたことに対し全く別の返答をしてしまう。
- 通話をしながらメモを取ることができない。
などなど
最後に
ビジネスの場では、正確性を保ち、相手に良い印象を与えながら進めていくことが連続的に求められます。電話応対で使うあらゆるスキルは、このビジネスシーンで常に求められる行動を総合的に体験・実践でき、習得に近づける画期的な手法となります。
Cプロデュースでは電話応対の基礎研修から応用研修・クレーム応対研修やマネジメント別階層研修など、各種研修も承ります。
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記事を書いた人
Cプロデュースコールセンターコンサルタント兼研修講師/外資系コールセンター・大手BPOに従事。小売り・金融業にも知見あり。新規教育研修の立ち上げ・人材育成課題解決に向けた取り組みを得意とする。
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