【コールセンターの聴く力4】共感する

【コールセンターの聴く力4】共感する

こんにちは。コンサルタントの山部です。
【コールセンターの聴く力4】では共感についてお話していきます。これまで相槌や復唱についてお話してきましたが、さらに共感の姿勢が伝わることで、話し手に対する信頼感の向上に繋がります。

電話応対の傾聴と共感

傾聴と共感にはそれぞれ次のような意味があります。(広辞苑より)

【広辞苑】傾聴と共感

「傾聴」とは

  • 耳を傾けてきくこと。
  • 熱心にきくこと。

「共感」とは

  • 他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること。
  • 同感。

相手の話を熱心に聴くということは、つまり相手が話す表面的な内容だけではなく、どのような感情なのかまで意識して聴くということです。取り扱っている商材や業務によって多少の差はありますが、私はコールセンターで聴く力(傾聴力)を強化するためには、共感は非常に大切な要素だと思います。

今でも覚えている、私がコールセンターで働き始めて間もない時に教育担当のSVが話してくれたエピソードがあります。それはそのSVがまだ経験の浅い頃、お客様と話がはずんだ時のことです。お客様が「いつも使っている化粧品を入れたポーチを旅行に持っていったら、途中で失くしてしまったんです。気が付いた時に目玉が飛び出るほど驚いたの。」とおっしゃいました。お客様がにこやかな口調で話をされたことと、「目玉が飛び出るほと」という表現をされたことで、思わず笑って反応してしまったそうです。するとお客様からひどくお叱りを受け、とても反省したというエピソードでした。

表面的に話を聴いているだけでは、お客様がどのような気持ちでその言葉を発しているのかを汲み取れずに、上記のようなことが起きてしまいがちです。お客様との間に信頼関係を築くためにも、お客様がどのような心情なのかに意識を向けることが重要となります。

電話応対の共感の姿勢を伝える

では、どうすれば共感していることを相手に伝えることができるのでしょうか。そのためには2つのポイントがあります。

1. 声の表情

まず一つ目は、声の表情で気持ちを伝えることです。相槌のポイントにもありましたが、これができていなければどんなにタイミングよく素敵な言葉をかけたとしても、取って付けたように聞こえるため逆効果となってしまいます。相手の心情に合わせて、相手が嬉しいと感じていれば嬉しいトーンで、相手が悲しんでいるようならば悲しいトーンで話すことが共感の第一歩です。声の表情が豊かであれば、相槌や復唱だけでも共感していることを相手に伝えることができます。苦手だなと感じる方は、まずは「はい」や「さようでございますか」等の相槌を、様々な感情で話すトレーニングをしてみるのもおすすめです。

2. 具体的な言葉で伝える

2つ目は、共感していることを相手に具体的な言葉で伝えることです。相手が思わず「そうそう、そうなのよ!」と言ってしまうような共感の言葉を伝えられると、「この人は私のことを分かってくれている」と感じ、距離が縮まります。

ただし状況によっては共感の言葉の伝え方に工夫が必要だったり、共感の言葉を伝えることは避ける必要がある場合もあります。冒頭で記載したように、共感とは「他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること。」です。そのため状況によっては、そもそも共感自体が難しい場合が発生します。

例えば、60代のお客様が「60代になってから、すごく疲れやすくなってきた。」とおっしゃった時に20代のオペレーターが「お気持ち分かります。」なんてことは言えません。こんな時は第三者話法を活用して「先ほどのお客様もそのようにおっしゃっていました。お辛いですよね。」や、「私の母も~」のように自分ではなく、お客様と近い人物像をあげてお客様の話を受け止めることができます。

また、ご病気やご不幸など気軽に「気持ちが分かる」と伝えられない場合には、お客様の心情にあった声のトーンでお客様がおっしゃった言葉を復唱し受け止めることで、傾聴の姿勢を伝えることができます。

言葉のバリエーションを増やすためには、定期的にオペレーター同士が集まって、お客様に対してどのような言葉をかけているかを情報共有する場をつくることも良いと思います。

最後に

本日は共感についてお話しました。相槌や復唱を意識してできるようになってきた方は、ぜひ次のステップとして共感の言葉を伝えることにチャレンジしてみてください。きっとお客様との会話が弾みやすくなり、お客様がこちらの話を聞いて下さることが増えていくと思います。

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コールセンターの聴く力シリーズ

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記事を書いた人

Cプロデュースコールセンターコンサルタント/前職の化粧品通販会社でコールセンターに従事。応対品質向上のための教育の体系化や育成指導、営業管理、委託先パートナー企業の管理を得意とする。

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