組織論から学ぶ!コールセンター改善に効果的な「場」とは?

組織論から学ぶ!コールセンター改善に効果的な「場」とは?

こんにちは!コールセンターコンサルティング会社でインターンをしている波多野です。またまた波多野です!Cプロデュースインターンブログの記事執筆、5本目を迎えました。最近は、「いかに最後まで記事を読んでもらうか」「読んでいただいた方のお役に立てる記事」を意識して文章を書いております。「興味深いテーマ × 驚きの結論」を提供できるようにしたいです。(ということで、最後まで読んでくださいネ♪)今回は、私が最近、重要性を実感するエピソードがあった経営戦略による「場の論理とマネジメント」についてお届けしたいと思います。

コールセンター管理者が「場」を作ることで生まれるメリット

コールセンター内で、管理者が「場」を意図的に作り出すことで

  • 組織的な情報の共有と蓄積
  • 新しいアイデアの創出
  • 判断基準や価値観の共有
  • 相互理解、意思統一
  • 個々人の能力アップ、チームの総力アップ 等々

が可能になります。
このようなコールセンター改善に効果的な「場」とは、どのようなものか説明したいと思います。

組織論による「場の論理とマネジメント」とは

私は大学で経営学を専攻し、ゼミでは経営戦略や組織論を学んでいます。昨年のゼミでは、『場の論理とマネジメント』という著書を輪読しました。この書籍では、管理者が意図的に「場」を作ることで、組織内の感情と情報を共有し還流させるというマネジメント方法を説いています。

場とは、「人々がそこに参加し、意識・無意識のうちに相互観察し、コミュニケーションを行い、相互に理解し、相互に働きかけあい、相互に心理的刺激をする、その状況の枠組みのことである。」と定義づけています。

この本は、経営学に関する学術書ですので、内容が難しいものとなっています。このままだと難解な言葉を並べた要約文になり兼ねないので、なるべく平易な表現で説明していきたいと思います。

わたしたちが働く仕事の現場には、「感情」と「情報」が流れています。「私情を挟むな」という言葉からお察しのとおり、日本では職場に個人的な感情を持ち込まないことが善と考えられることが多いです。しかしながら人間は機械ではないので、片時も自分の感情を切り離すことができないため、管理者は部下の感情を正しくマネジメントする必要があります。自分や部下の感情をうまくコントロールできれば、仕事の質や成果につながります。すなわち、感情と情報の管理を工夫して行うことが「場」を作る最大の目的です。

「場」を作る実例1:高校サッカー部

「場」に対するイメージがつきにくいと思うので、実例を紹介します。

A高校サッカー部の指導方法

  • ミーティングでは、監督がトップダウン式にあれこれ指示を出し、選手の意見を汲み取らない。
  • 監督が独断でメンバーを決める。
  • 選手と監督、選手間のコミュニケーションが円滑にとれていない。

B高校サッカー部の指導方法

  • ミーティングでは、選手ひとりひとりがボトムアップ式に意見を発信。良い意見は積極的に採用。
  • メンバーはポジションごとのコーチやレギュラー選手の意見を加味して、監督が考える。
  • 監督が、ポジションや学年ごとのミーティングの開催を誘発。

さて、A高校とB高校のどちらのサッカー部の組織力が強靭だと思いますか?間違いなく、チームの雰囲気が良く、全体の組織力が強いのはB高校だと考えられます。(A高校の監督が相当なカリスマ性を持っていれば話は異なるかもしれませんが・・・)

おそらく、A高校の監督の方がマネジメントに手間がかかり、選手一人ひとりの感情を把握するのが難しいと推測できます。一方B高校では、コーチ陣の間、ポジション間、学年間など、多くの場面で「場」が生まれています。そのため、組織内で情報や感情を交換し合う機会が数多く生まれています。

情報交換を頻繁に行うことで密度の高いコミュニケーションが生まれ、監督がいなくとも選手は感情を高め合うことが可能です。さらには、プレーで得た経験やミスなどの情報は、ナレッジマネジメントのように蓄積していくことができます。B高校のように、管理者である監督が意図的に「場」を作り出して、情報や感情をうまくコントロールしようというのが「場のマネジメント」です。

「場」を作る実例2:大学でのキャリア支援活動

これでも、まだ「場」に対するイメージがつきにくいと思うので、私が最近実感した例を紹介します。

私は大学で後輩のキャリア支援活動を行っています。キャリア支援活動では、営業部やマーケティング部、人事部等々、企業さながらの部署に分かれていて、後輩の就職活動をあらゆる角度からお手伝いしています。私は営業部に所属し、イベント集客や新規後輩の獲得活動を中心に活動しています。

そのキャリア支援活動で、6月より組閣制度たるものが始まりました。「各部署から1人ずつが横断的に終結してチームを形成し、チーム毎に全体のKPIを追う」というものです。この組閣制度は、組織に2つの変化をもたらしました。

変化1:仲間意識と競争意識が芽生えモチベーションが上がった

1つ目は、チーム内での話し合いが活発に行われ、その結果チーム内の仲間意識と他チームとの競争意識が芽生えたことです。以前よりも集団で数字を追う雰囲気が醸成され、チームのモチベーションと成果の双方が上がりました。

変化2:多部署との情報共有により組織横断的なアイデアが生まれた

2つ目は、チーム内で情報共有を繰り返し行うによって、部門内の情報のみでは生まれない、組織横断的なアイデアが次々と生まれたのです。

このように、それまで存在しなかった「場」を作り出すことで、感情と情報の流れに良い変化がありました。

「場」に必要な4要素

そして、著者は、「場」において以下4つの要素が必要だと考えています。

A.アジェンダ(目的)
感情と情報が何に関するものかを表すもの
B.言葉や意味の共通解釈
場に参加するメンバーが発信するシグナルを、互いに解釈できること
C.情報の共有伝達方法
物理的な空間の共有や、言葉、表情、ボディーランゲージなど
D.連帯欲求
自分以外の人々と何らかのつながりを持ちたいという欲求

「場」に必要な4要素を当てはめてみる

ここで、B高校サッカー部におけるポジションごと(攻撃陣)のミーティングという場における必要な要素を想定してみます。

A.アジェンダ(目的)
「一試合で点をより多く取るには」
B.言葉や意味の共通解釈
サッカー用語の共通理解、自チーム独自の作戦、選手個々の特徴など
C.情報の共有伝達方法
ミーティングの機会、試合中のコミュニケーションなど
D.連帯欲求
「チームプレイで決めたゴール」から得られる達成感

「場」に必要な4要素

「場」に必要な4要素:B高校の場合

これは私自身が考えたものですので、賛否両論があるかと思います。しかし、「場」を生成するための要素がしっかりと揃っていることは確認できました。

コールセンター内で「場」を活かす方法

では、肝心のコールセンター内ではいかにして「場」を作り出していけばよいでしょうか?様々なアイデアを上げることができそうです。例えば、コミュニケーターが顧客満足度について考えを共有し合う「CS委員会」を構成し、普段関係が希薄なコミュニケーターどうしを無理やり結集させるのも一つの手です。各コミュニケーターが持つ苦手意識や得意分野を共有することで、新しい情報・感情が流れるので、新たな発見や気づきがあるかもしれません。

いくつかコールセンターを持つ企業では、他コールセンターのSVが集まって「仕事の効率化」「良いSVとは」などについて議論を交わすのも面白いと思います。個々のコールセンターで感じている問題意識や課題などは、別のコールセンターで解決していることも珍しくありません。さらに、もっとシンプルに考えて、懇親会などの行事を密接な関わりがなさそうなメンバーを抽出して企画をしてもらうだけでも効果はあると思います。

ただし、ひとつ気をつけてほしいことがあります。誰がどんな「場」を作り出すにしても、前述の「場に必要な4要素」を満たし得るかを先に考える必要があります。アジェンダが明確でない場合、「場」を作りだす意味がないので、「ただ時間を浪費しただけ、、、愚痴を言って終わりになってしまう、、、」となることも考えられます。まずは、「場」を作る目的をしっかりと固めていきましょう。

まとめ

「場」のマネジメントについて、少しでも理解していただけたでしょうか?「場」は多くの可能性を秘めています。われわれが思っている以上に、特徴が異なる人間同士が生み出すシナジー効果は計り知れないものです。私が声を大にして言いたいのは、「場」を自然発生的なものではなく、管理者が目的をもって作り出すものだということです。情報や感情を伝達するコミュニケーションは自然に生まれるのが理想ですが、待っているだけでは期待を持つことはできません。管理者には積極的に「場」を生み出すように働きかけていく必要性があります。さらには、「場」という概念を頭に入れておくだけで、閉塞感のある組織に新しい風を吹かせようという意識にもっていくことが可能だと思います。

今回は「場」の重要性やコールセンター内でのあり方について簡単に書きましたが、本書では「場を生み出すマネジメント」と「生成した場を管理するマネジメント」の方法について記述があります。気になった方はぜひ勉強してみてください!

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以上、 組織論から学ぶ!コールセンター改善に効果的な「場」とは?でした。

私たちインターンがこのブログを書いています!

インターンスタッフ波多野

千葉大学法政経学部。新潟県出身。大学時代22か国周遊。広告代理店で長期インターン勤務経験あり(キャリア支援活動、NPO法人で医療アプリ制作。)Cプロデュースでインターンスタッフとして勤務。2019年度から医療介護業界に強みを持つコンサルティング会社に就職。

インターンスタッフ時松

法政大学経営学部。大分県出身。レストランで4年間アルバイト経験。カナダ/マルタで語学留学経験。オーストラリアで海外インターンシップ経験。2018年Cプロデュースでインターンシップとして勤務。以後、スイスで経営学を学ぶ。コンサルティング業界を就職志望。

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記事を書いた人

コールセンターコンサルティング会社のCプロデュースにインターンシップとして働くスタッフです。Cプロデュースでは、未来で活躍する人材育成の一環として、インターンシップ採用、インターン求人を積極的に取り入れています。インターンシップによる職場の活性化と若手社員の育成、成長を応援しています!

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