KPIのポイントSMARTをコールセンター運用で徹底解説!

KPIのポイントSMARTをコールセンター運用で徹底解説!

こんにちは。コンサルタントの山北です。

前回はコールセンターのKPIとKGIの違いについてブログを書きましたが、今回は「良いKPIとは?」というテーマで書いていきます。今はほとんどのコールセンターで何かしらのKPIが設定されていると思いますが、 「このKPIって意味あるんだろうか」「KPIが高すぎてやる気が起きない」「KPIってこれでいいの?」など、設定されているKPI自体に疑問や悩みを抱えている方は多いのではないかと思います。 そういった方の悩みの解決の糸口になれば幸いです。

良いKPIを作るための大切なポイント「SMART」とは?

KPIのSMARTとは?

コールセンターのKPIと言えば応答率やSLA、CPH、ACW(平均後処理時間)などが一般的です。また、業種業態によっては営業系のKPI、応対品質のスコア、ミス率や退職率などをKPIとされているセンターもあります。ただ、似たような業種業態であっても、他社と全く同じKPIでよい、ということはあり得ません。

自社のコールセンターの業務や所属する人員、状況に合わせて最適なKPIを設定していくことが大切です。その際、コールセンターのKPIに関わらず、KPIを設定する際に重要・大切だとされるポイントとして、そのポイントの頭文字をとった「SMART」モデルという考え方があります。

SMARTモデル

  • S Specific(明確性)
  • M Measurable(計量性)
  • A Achievable(達成可能性)
  • R Relevant(関連性)
  • T Time-bounded(期限)

このSMARTのポイントを押さえてKPI設定をすれば、事業・就業者にとって良いKPI設定が可能になります。なぜSMARTモデルが大切か、コールセンターのKPI設定において具体的にどういうことを意識・確認したほうが良いかを解説していきます。

なぜSMARTモデルが大切?コールセンターKPIの例に合わせて解説

良いKPIとは何でしょうか? それはKPI達成に取り組む人にとって、「具体的・客観的で達成可能な目標である」ということです。SMARTモデルは「具体的・客観的で達成可能な目標である」KPIを作るためのポイントがまとまっている考え方となります。 言い方を変えると、「具体的・客観的で達成可能な目標」になっていないKPIは良いKPIとは言えません。今設定しているKPIがある方は、ぜひそのKPIに当てはめて以下の解説を読んでみてください。

S Specific(明確性)

KPIが明確で具体的である、ということです。コールセンターの方はもちろん、社内にいる人が聞いても明確で納得性があり、具体的なKPIを設定しましょう。

【例】コールセンターの繋がりやすさを測りたい

良いKPI

「30秒以内応答率」「平均応答時間」を計測する。計測はコールシステムのデータにて抽出する。

悪いKPI

「お客様アンケートでつながりやすく感じたか」を取得する。アンケートは応答できた方に送付する。

解説

「お客様アンケートでつながりやすく感じたか」はお客様にどう認識されているかを知るためであれば悪くありませんが、お客様の感覚によりつながりやすく感じたかどうかは変わりますので繋がりやすさを測る指標としては適正ではありません。30秒以内でどれくらいのお客様と会話をスタートできているか、平均どれくらい待たせているかをシステムで定量的に計ることで、繋がりやすいコールセンターかどうかの判定が可能になります。

M Measurable(計量性)

KPIを測定・計量でき、具体的な数字にできるということです。また、その数字も作為的・人為的ではなく、客観的で納得性がある集計であることが必要です。

【例】コールセンターで対応したお客様にどの程度満足いただけているかを測りたい

良いKPI

「顧客満足度」を計測する。5段階評価でTOP1.2評価を満足とし、計測は全員orランダムでアンケートを送付し回答いただく。

悪いKPI

「お喜びの声」を計測する。お客様との会話でオペレーターがお喜びの声だと判断したらその内容を履歴に残し、カウントする。

解説

一見すると「お喜びの声」もダメではないように見えますが、件数をカウントしても「お声がないお客様はいいの?」という疑問が生まれてきます。また、お喜びの声の判定もお客様ではなくオペレーターが行うのであれば、解釈が個人でばらつくので作為的になり、良いKPIとは言えません。顧客満足度は全員、もしくはランダムピックアップしたお客様に向けて、5段階や10段階といった形式でお客様に回答いただく方が望ましいでしょう。

A Achievable(達成可能性)

頑張れば達成ができるKPIになっているか、ということです。(実は、これが一番あるあるパターンだったりします…)今の実力の2倍、3倍や100%実施、といったKPIは非現実的で達成しようという意欲がなくなります。ポイントは「頑張ったら手が届く」設定にすることです。簡単に達成できてもダメ、高すぎて届かないKPIもダメ、ということです。

【例】応答率の目標設定

良いKPI

昨年の応答率平均が88%だったため、今期は90%を目指す。

悪いKPI

昨年の応答率平均が88%だったため、今期は100%を目指す。

解説

基本的に100%というKPIは(ほぼ)達成しません。応答率100%とは、かけてきたお客様一人も逃さず対応する、ということになりますがお客様の都合で電話を切られることも多々あります。(自宅からかけたが、来客がありチャイムが鳴って切ったなど)つまり、コールセンター側の努力だけでは達成できないのです。何かの案内をする場合も、案内率100%というのも達成できません。お客様が急いでいたりなど、お客様の都合もあるためです。「頑張ったら手が届く」ことを意識して、達成可能なKPI設定をしましょう。

R Relevant(関連性)

最も忘れられがちなポイントがこちらです。前回のブログ知っていますか?コールセンターのKPIとKGIの違いでも紹介しましたが、KPIは事業の最終目標であるKGIと連動している必要があります。KGIとまったく関連しない目標を設定しないよう注意しましょう。

【例】事業のKGIは昨年対比利益+20%

良いKPI

クロスセル成功率を昨年対比+25%目指す

悪いKPI

顧客へのアンケート取得率を10%目指す

解説

顧客へのアンケート取得率を上げることが利益向上に繋がるのであればよいですが、そうでなければKGIと連動したKPIとは言えません。分かりやすく営業成績などでなくても問題ありませんが、設定したKPIがどういうロジックでKGIと連動しているか、という点はしっかり押さえましょう。

T Time-bounded(期限)

いつまでに達成するのか、どれくらいのスパン(年、月、週など)で区切るのかといった期間・期限のことです。期限がなければだらだらとしてしまい、達成のモチベーションがなくなってしまったり、KPI自体が形骸化する原因になります。そのKPIをいつまでに、どれくらいの期間で達成させるのかを意識して期限を設定しましょう。

【例】応答率が昨期75%だったため、今期80%を目指す。

良いKPI

3ヵ月後までに80%を目指し、4カ月目以降は毎月80%以上の達成をKPIとする

悪いKPI

今期どこかで80%にする

解説

KPIにより最適な期限・期間は違ってきます。また、Achievable(達成可能性)でもお伝えしましたが、非現実的な目標になっては意味がありません。実現可能な目標を実現可能な期間・期限で設定することが重要になります。期限を設定するのは当たり前のことですが、その期限は適正に設定されているかという観点でも確認をしましょう。

最後に

今回はKPIとKGIの違いというテーマで書いてきましたが、KGIを把握、理解した上でKPI設定が適正かを考えることが重要ですので、まずは自社のKGIを理解することから始めてみてください。

また、Cプロデュースでは各企業様の特徴に合わせたKPI構築や運用支援実績がありますので、コールセンターでのお悩みやご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っておりますので、下記よりエントリーください。コールセンターに関する事でしたら、些細なことでもお気軽にご相談いただけます。

引き続きコールセンター業務に従事する皆様に活用いただけるブログを書いていければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

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記事を書いた人

Cプロデュースコールセンターコンサルタント/アウトソーサー企業、化粧品通販会社等でコンタクトセンターに従事。顧客とのコミュニケーション設計構築から現場運用、委託先パートナー企業の管理を得意とする。

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