コールセンターは生モノ!?良い状態を維持できないセンターとは

コールセンターは生モノ!?良い状態を維持できないセンターとは

こんにちは!コンサルタントの山北です。
Cプロデュースには日々、コールセンターやコンタクトセンターの運営に関するお悩み、課題をお持ちの企業様からご相談をいただきます。ホームページリニューアルに伴い、これから改めてよくあるお悩みやご相談について書いていこうと思います。

コールセンターを良い状態に維持することができないお悩み

「以前は活気があって運用もしっかり作られていたセンターだったのに、異動で他部署勤務し戻ってきたら前はできていたことができなくなっていました。在籍メンバーに聞いても、できなくなった原因がよくわからないんです…。」以前お問い合わせいただいた会社様からこのようなご相談をいただきました。実はこれ、コールセンター運営では珍しい事ではなく”良くあるケース”なのです。一度作った仕組みや運用できていたことは、一度できればずっと続いていくとつい思ってしまいがち。しかし実は一度できたからと言って、ずっとそのまま良い状態が続く訳ではありません。今回は「コールセンターが良い状態を維持できない理由」を深堀りしていきましょう。

人がやることは「維持すること」が最も難しい

前述の会社様は現場のアセスメント(現地でのコールセンター診断)を実施したところ、いくつもの問題点が見えてきました。

主要な問題点

  • 教育が体系化されていない(様々なシーンで場当たり的な研修しか行われていない。入社からの経過月などに合わせた教育プログラムがない。)
  • KPIはあるが管理がされていない(計測しているのみで振り返り、分析などが行われていない。PDCAが回っていない。)
  • コミュニケーションを図る仕組みがない(朝礼・昼礼がない。チームミーティングや情報共有の場がない。)
  • 職務定義がない(コミュニケーター、SV、マネージャーなど各職位の役割や具体的な職務が整理されていない。)
  • マニュアル/フローがない業務が多い(人から人への口頭伝達のみで業務を回している。)

短期的な活動であればマンパワーで何とかなりますが、日々運用やオペレーションの現場をいい状態に保つには「仕組み」と「計画的な人材育成」の両方が必要になります。

「仕組み」とは、誰がやっても一定水準で同じように効率的・効果的に運用や作業を行えることです。コールセンターにおいては、マニュアルやフローの整備、FAQの構築、職務定義などがこれにあたります。コールセンターを組織として無駄なく効率的に運営するために、仕組み化はかかせません。

「計画的な人材育成」は仕組みをうまく活用し、アップデートしていくためにも非常に重要です。作ったときには良い仕組みであっても、事業や時代の変化、人材の入れ替えなどによって合わなくなってくるケースがあります。そうなったときに問題点を発見し、仕組みを見直したり作り直す人材が必要です。ご相談いただいた会社様にも一部仕組みはありましたが、時間の経過とともに合わなくなり放置となっていました。

また業務の成果や質を高めていくためには、PDCAを日々回していく必要があります。PDCAを回すためのサポートをしてくれるシステムやデータは多く登場していますが、まだまだ人が主体でなければ、実務の中でPDCAを回すことはできません。良いセンターには必ず質の高いPDCAを回せる人材がいて、人材育成を計画的に行える体系化がなされています。

コールセンターのお仕事は、日々の目の前の仕事に忙殺されがちな特性を持っています。一度少しだけ足を止めて、「仕組み」と「計画的な人材育成」ができているセンターか見直してみることをお勧めします。

コールセンターの立て直しは何からやればいい?

コールセンターを立て直そうとするとき、「人の入れ替え」「システム導入」「業務整理」などの”手段”から入りがちになりますが、最初に必要なことは「現状把握」です。そもそも何が問題でどの程度問題か、何が原因なのかなどの現状を正しく把握しないまま対策を実行すると、問題が解決できなくなってしまう、効果があまり出ないなど、良くない結果につながります。「現状把握」の基本的なプロセスを押さえて問題点を見つけましょう。

現状把握のプロセス例

  1. 「何が問題か」を明確にする(例:直近3カ月の退職が多い)
  2. 問題を定量化する(例:3ヶ月の退職率が30%)
  3. 問題の原因を確認する(例:退職時のヒアリング情報、研修トレーナーへの確認など)
  4. 優先的に対応すべき問題を選定する(例:新人デビュー後のメンタルフォローが不足しており、孤独だったという声が退職者の6割から出た)

ポイントは「2.問題を定量化する」と「4.優先的に対応すべき問題を選定する」です。

「2.問題を定量化する」がなぜ重要かというと、”本当に今解決すべき重要な問題か?”を確かめるためです。問題の起点は気付きです。目の前で起こっていることや報告を受けたことなどから、「まずいことが起こっている」「これは良くない」といった気付きから始まることが多くあります。その気付きをそのまま問題として捉えて動き出すと、他にもっと解決すべき問題や、取り組むべき事を逃してしまうことになるかもしれません。気付いた問題を定量化して確認し、会社、コールセンターにとって今本当に解決すべき課題なのか確認が必要です。

また上司や意思決定者に向けて、問題だと思ったことを感覚的に伝えても「それ、今じゃなくない?」「本当に?」と言われたことはないでしょうか?定量化することで問題の大きさ、重要性を同じモノサシで見ることができるようになり、取り組むべき問題かを建設的に協議することができるようになります。

私自身も、過去に部下から「こういう問題が起こってます!困ってると”みんな”言ってます!」と訴えかけられたことがありました。定量的な事実に基づき判断するため、実際にアンケートを取ってみたところ「困っているという声は50名中2名だけだった」という結果がでました。コールセンターは声が大きい1人の意見が通りがちです。そういったバイアスに振り回されないためにも、定量的に問題を見ることを忘れないようにしましょう。

「4.優先的に対応すべき問題を選定する」も大切なポイントです。コールセンターは日々、沢山の問題が起こります。問題が一つもないコールセンターはありません。多くの問題を定量化し優先順位を付けて対応すべき問題を選定しなければ、無駄な労力を使ったり本当に解決すべき問題が後回しになったりします。そうならないように、日々起こる問題を把握・整理し、優先的に対応すべき問題を選定する意識を持ちましょう。

※優先順位の付け方については、改めてこのブログでもご紹介できればと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか?皆さんのコールセンターをより良いものにする一助になれば幸いです。より具体的な悩みに対するご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っておりますので下記よりエントリーください。ご相談、お待ちしております♪

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記事を書いた人

Cプロデュースコールセンターコンサルタント/アウトソーサー企業、化粧品通販会社等でコンタクトセンターに従事。顧客とのコミュニケーション設計構築から現場運用、委託先パートナー企業の管理を得意とする。

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