コールセンターにAI導入!現場からみる成功に導くポイント

コールセンターにAI導入! 現場からみる 成功に導くポイント

こんにちは!コールセンターコンサルティング会社でインターンシップ勤務をしている時松です。先日私は、大学の授業でシンギュラリティ(技術特異点)について学ぶ機会があり、改めてヒトとAIの関係に興味を持つようになりました。

最近のAI技術の進歩で語られている

  • AIがヒトの仕事を奪う
  • ヒトの仕事として残るのはAIのプログラミングや保守管理する側

だという論説です。はたしてそうでしょうか。

  • AIは本当にヒトの仕事を奪うのでしょうか?
  • すべてのお客様はAIのサポートを求めているのでしょうか?

コールセンターの業務内容と合わせながら考えていきたいと思います。

2045年以降は人工知能がすべての人類の知能を超える?!

レイ・カーツワイル氏
資料:http://content.time.com/time/coversearch/
資料:https://ja.wikipedia.org/wiki/レイ・カーツワイル

シンギュラリティ(技術特異点)とは、世界的にも有名な人工知能の権威であるレイ・カーツワイル氏をはじめとするAI研究家たちが「コンピューターテクノロジーが加速度的に進化を遂げた結果、2045年にその未来を人間が予測できなくなる」という仮説を唱えていることです。2045年以降は人工知能がすべての人類の知能を超えると言われているのです。このままテクノロジーが加速度的に進化することで、AIが独自に未来を創るようになるのでしょうか。またコールセンターのAI導入にどのような影響をもたらすのでしょうか。

コールセンターにAIを導入する目的

AI導入の目的として、下記の内容を挙げる企業が多いようです。

  • 人件費削減
  • 呼量削減

その背景には、下記が挙げられます。

  • オペレーターの人手不足
  • オペレーターの育成コスト・工数の負担

コールセンター自体のサービスの質が向上し、結果、顧客満足度の向上につながる効果を担っています。

コールセンターでAIがどのように活用されているか

現状のコールセンターでAIがどのように活用されているか。一例をご紹介します。

オペレーター対応前

チャットボット お問い合わせの多い内容に関して既定のシナリオで自動対応
半自動チャット 自動解決できない場合にオペレーターがチャットで手動対応

オペレーター接続待ち

自動音声対応接続待ちの間に顧客と会話し、その内容を簡易的に書き取る
ヒアリング内容のテキスト化ヒアリング内容を音声認識システムで自動的にテキスト化

オペレーター通話対応中

オペレーター対応アシスタント自動音声対応で聞き取りした内容を音声認識エンジンで文章化し、オペレーターにつなぐ前にパソコン上に表示する

オペレーター電話対応後の処理

音声分析レポート応対品質の向上・均一化をし、トレンド分析や顧客の行動予測など、マーケティング分野への応用することが可能
通話内容のテキスト化からNGワードの発言有無チェックNGワード発言や必ずご案内しなければならないMUSTワード漏れを検知することでコンプライアンスの徹底を実現
お客様の声色や声量の変化からの感情解析人が話す速さやピッチ、トーンなどをAIに解析させることにより、音声から人の感情を解析・認識する

わたし=エンドユーザー側から感じるチャットボットのユーザビリティ

AIの導入は、自動応答化したり、単にお問い合わせツールが増えたりするだけではなく、「データ分析」や「音声品質分析」を担い、顧客対応以外のコールセンター業務をより効率的なものにします。しかし、私自身があるお問い合わせ窓口を利用した際のチャットボットからの返答は、AIはまだまだ万能ではないと思う場面がありました。いくつかの企業のチャットボットでは、お問い合わせ内容と関係の薄い内容や、単一的な返答しか送られてこないなどの結果が見られたのです。まだまだ顧客との問題解決の場でAIはヒトと同等の働きをしているとは思えない印象でした。

現場からレポート!AI導入後のコールセンター

「ツール導入」「初期シナリオ設定」「アップデート」にかかる時間とコスト

コールセンターのAIシステムの技術は日々進化し現場でも使われ始めていますが、まだまだ万能ではなくシステムを導入したからといってすぐに活用できるわけではありません。ヒトによる整備が導入前後に必要となり、AIの学習には限界があることを理解しておく必要があります。AIの導入に二の足を踏ませるのは、「ツール導入」「初期シナリオ設定」「アップデート」にかかる時間とコストなのではないだろうか?と感じます。チャットボットの役割は、よくあるお問い合わせをピックアップし、それに対しての回答をお客様への返答形式に仕上げるシステムです。この構築には、そのコールセンターで蓄積された回答による整備を必要とします。

AI導入でコールセンターはなくなるの?!

AIの精度を上げるには、現段階ではヒトの作業工数がかなりかかると言われています。チャットボットを例にとっても、その回答の精度を上げるのは、回答候補が適切かどうかなどのヒトによるフィードバックが必要となります。
しかし、フィードバックを行うセンター内の現場は、常に受電、メール、有人チャット対応、後処理、研修、事務処理などで多忙を極めています。さらに、職を失うかもしれないとの不安を感じる中でAI育成にかかる工数に理解を得るためには、「なぜAIを必要とするのか」「AIを導入するメリットは何か」を、現場スタッフにしっかりと伝えることが重要であるようです。AI導入により応答の自動化が進めば、コールセンタースタッフ内には自分のイスが無くなるのでは?と、不安を抱えることにつながりかねません。「人件費削減・呼量削減の目的は必ずしも人員削減ではない」と理解してもらうことも重要になると思います。

当社コンサルタントによるチャットボットの導入後の分析評価【某大手ECサイト】

当社コンサルタントにチャットボットの導入後の事例と分析評価を聞いたところ、某大手ECサイトでの導入事例は以下のようにポジティブなものでした。

『チャットボットを導入したら、日中の利用はそれほど増えなくて、オペレーターが帰った後の夜間帯の利用者が多い様でした。即時回答できるからお客様アンケートでCS(お客様満足度)が上がりました。そのシナリオを作る事がナレッジ化にも繋がりました。また、電話対応用のFAQも拡充したことで、AHT(平均処理時間)も短くなり、その結果、平均残業時間も少なくなって、ES(従業員満足度調査度)も上昇しました。』

これはあくまでも一例ですが、AIの導入はコールセンターで働くヒトの仕事を奪うものではなく、より適正な役割分担により、CS(お客様満足)/ES(従業員満足)の両方を高めることが出来るもので、投資対効果につながります。AIを導入する準備の工数や、精度を高める為にかかる工数も、各コールセンタースタッフに対してメリットがあるとの理解してもらうことが重要です。

まとめ

「AIは勝手に学習し進化する」と考える方が多いようですが、現時点のAIは自発的な学習機能は発展途上です。今後、AIがその機能を最大限に発揮する為には、まだまだヒトの手が必要な段階です。

私は自分自身が接客業のアルバイト経験や、Cプロデュースでのインターン経験を通して「ヒトの笑顔や思いやり」「表情や声色から真意を察する」ことなど、AIが発展してもヒトのプロフェッショナリズムが勝る領域は残るのではないかと感じています。お客様の発する「ありがとう」という言葉一つをとっても、「本心からのお礼」「皮肉交じり」「好戦的/攻撃的」など様々な感情を表現できるのです。その声色やニュアンスの微妙な差異や変化を感じ取ることが出来るのがヒトなのだと思っています。
ヒトにしかできないことでのプロフェッショナリズムを保ち続けながら、AIとヒトの分業が出来れば、お客様それぞれのニーズにマッチしたサポートを選択できるようになれば良いと思います。AIは導入したら終わりではない事、AIもヒトもそれぞれ成長していくことで、相互の関係性を従属関係と捉えるのではなく、共生することでカスタマーサポートサービスの柔軟性を広げる足掛かりになると信じています。

以上、 コールセンターにAI導入!現場からみる成功に導くポイントでした。

私たちインターンがこのブログを書いています!

インターンスタッフ波多野

千葉大学法政経学部。新潟県出身。大学時代22か国周遊。広告代理店で長期インターン勤務経験あり(キャリア支援活動、NPO法人で医療アプリ制作。)Cプロデュースでインターンスタッフとして勤務。2019年度から医療介護業界に強みを持つコンサルティング会社に就職。

インターンスタッフ時松

法政大学経営学部。大分県出身。レストランで4年間アルバイト経験。カナダ/マルタで語学留学経験。オーストラリアで海外インターンシップ経験。2018年Cプロデュースでインターンシップとして勤務。以後、スイスで経営学を学ぶ。コンサルティング業界を就職志望。

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記事を書いた人

コールセンターコンサルティング会社のCプロデュースにインターンシップとして働くスタッフです。Cプロデュースでは、未来で活躍する人材育成の一環として、インターンシップ採用、インターン求人を積極的に取り入れています。インターンシップによる職場の活性化と若手社員の育成、成長を応援しています!

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